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「…チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき、むしめがね六つ、さきのとがったよくきれるジャックナイフ一つ、くしとヘアブラシ、ちがったいろのリボン七本、『クランベリいき』とかいた大きなからのふくろ、きれいなきれをすこし、それから、ふねにのっているあいだのしょくりょう…」
これが、エルマーが冒険にでかけた時の持ちものです。今から半世紀以上前に書かれたこの物語を、これまでいったい何人の子ども達が読んで、夢中になったことでしょう。
エルマーのぼうけんは、「ぼく」によって語られる「ぼくのとうさんエルマー」の物語です。ある日年取ったねこを助けたエルマーは、そのねこから凶暴などうぶつ達に捕らえられたかわいそうなりゅうの子どものことを聞きます。そして、冒頭の持ち物を持って、おそろしいどうぶつ達のいるどうぶつ島までりゅうの子どもを救いに行くのです。
私が『エルマーのぼうけん』に出会ったのは5才の時でした。従姉妹の本棚にこの本を見つけた私はすぐに夢中になり、その様子を見た伯母が持ち帰らせてくれたのでした。そして、その本はぼろぼろになって、今も私の手元にあります。
児童文学研究者の宮川健郎さんも「『エルマーのぼうけん』は、私の子どものころの第一の愛読書でもあった。〜中略〜私は、小学三年生のとき、『エルマーのぼうけん』をはじめて手にとったときの「感じ」を今もおぼえている。(『いま読む100冊 海外編 児童文学の魅力』日本児童文学者協会編 1995年)」と語っています。
つい先日も、教室の片隅で『エルマーのぼうけん』に夢中になっている5才の男の子に出会いました。邪魔をしないように後でそっと「この本おもしろい?」と聞くと、ちょっと照れたように「うん」と答えてくれました。
なぜこんなに『エルマーのぼうけん』が子ども達を惹きつけるのか、論じようと思えばいくらでもできるでしょうが、本を読む子ども達の真剣な顔を見ているとそんなことはナンセンスな気がしてきます。
『エルマーのぼうけん』は、とにかく一人でも多くの子どもに読ませてあげたい、そんな本です。
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