HANAIBOOKS  〜HANAI お薦めの子どもの本〜

このページでは、HANAIが教材で使用する本や、ぜひ子ども達に
読んで欲しい本、お父様お母様にもお読みいただきたい本を
紹介していきます。

NO.25

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だるまちゃんとてんぐちゃん

ちいさいだるまちゃんとちいさいてんぐちゃんがあそんでいました。

加古里子/絵・文
福音館書店 ¥743
1967年発行

ちいさいだるまちゃんとちいさいてんぐちゃんが遊んでいます。だるまちゃんはてんぐちゃんが持っているうちわが欲しくなりました。うちに帰っておおきなだるまどんに同じうちわが欲しいとねだると、だるまどんはたくさんのうちわを出してくれました。でも、その中にはてんぐちゃんと同じうちわはありません。そのうちにだるまちゃんはふと思いついて、庭にあるかえでの葉をうちわにすることにしました。
だるまちゃんは、このようにてんぐちゃんが持っているものを次から次へと欲しくなります。その都度、おおきなだるまどんは苦労してだるまちゃんが欲しいものを出してやろうとしますが、なかなか同じものがありません。だるまちゃんは結局自分で考えて、てんぐちゃんと同じものを探しだすのでした。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』を初めて読んだのは、もう十数年前の学生時代のことでしたが、その時の感想は、「どうしてこんな本が子どもに喜ばれているのだろう。」でした。
子どもであれば無条件に楽しめる加古里子さんの絵本の世界を、大人の私は理解できなかったのです。ひょっとしたら、今の若いお母さんの中にも、当時の私のように感じる方がいらっしゃるかもしれません。けれども、子ども達は本当にこの『だるまちゃんとてんぐちゃん』が大好きです。
作者の加古里子さんは、東京大学工学部を卒業した後、民間の会社に勤務しながらセツルメント運動、児童文化活動に従事。福音館書店の松居直氏と出会い処女作『だむのおじさんたち』(1959年 福音館書店)を発表しました。初めて加古里子さんの絵を見た時のことを松居氏はこう語っています。「(前略)その人の作品だという二枚の白黒写真を見せられた。アマチュアとすぐわかる作品だが、不思議に子どもの世界が生き生きと描けていて魅力がある。作品をみてみたい、会ってみよう、と即座に決心した。(『絵本をみる眼』松居直 日本エディタースクール出版部 1978年)」
『だるまちゃんとてんぐちゃん』には、まさに松居氏の言う「子どもの世界」が生き生きと描かれています。ファンタジーの世界を描きながらも、テーマは「お友達と同じものが欲しくなる」という子どもの身近な日常です。そして手足のはえただるまや白いひげをはやした子どものてんぐは、きっと子どもの眼には現実の友達となんら変わりなく自然に映るに違いありません。
ぜひ、お母さんお父さんの手で子ども達をこの『だるまちゃんとてんぐちゃん』に出会わせてあげてください。

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素材提供:「second home