HANAIBOOKS  〜HANAI お薦めの子どもの本〜

このページでは、HANAIが教材で使用する本や、ぜひ子ども達に
読んで欲しい本、お父様お母様にもお読みいただきたい本を
紹介していきます。

NO.28

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モ モ

時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語

ミヒャエル・エンデ/作
大島かおり/訳
岩波書店 
\1,785
1973年

作者のミヒャエル・エンデは、『はてしない物語』の作者として有名です。1929年にドイツのシュールレアリズムの画家エドガー・エンデの息子として生まれたエンデは、演劇に興味を持ち演劇学校を卒業します。しかし、戯曲は認められず役者としても芽が出ませんでした。ところが、友人に誘われて書いた絵本の文章が『ジム・ボタンの機関車大冒険』として出版され、ドイツ児童文学賞を受賞し、児童文学作家として広く知られることになります。『ジム・ボタン』後イタリアに居を移して初めて書いた児童文学が、この『モモ』でした。
大きな都会のはずれにある円形劇場の廃墟に、ある日一人の女の子が住むようになりました。名前は「モモ」といいました。近所の人たちはやさしい人ばかりでしたので、モモのめんどうをみんなで見てやろうということになりました。モモが近所の人達と仲良くなっていった同じ頃、こっそりと灰色の男達が活動を始めました。彼らは人間の「時間」を盗む時間泥棒でした。時間泥棒に時間を盗まれた人間は、やたらとせわしなく毎日を過ごし、財産やお金を増やす代わりにだんだん不機嫌でおこりっぽくとげとげしくなっていきます。けれども、誰も自分の時間を盗まれたことには気づかないのです。
時間泥棒達の悪巧みに気づいたモモは、盗まれた時間を取り戻すために不思議なカメのカシオペイアに導かれ、時間を司るマイスター・ホラのもとへ行きます。モモは一体どのようにして時間泥棒達から時間を取り戻すのでしょうか?
『モモ』が日本で初めて紹介されたのは、今から28年前の1976年ですが、そのあとがきで訳者の大島かおりさんはこのように書いておられます。「「時間がない」、「ひまがない」­−こういうことばをわたしたちは毎日聞き、じぶんでも口にします。いそがしいおとなばかりではありません、子どもたちまでそうなのです。」
28年たった今も、私たちは忙しい忙しいと言って毎日を過ごしています。毎日塾や習い事に通う子ども達が増えているそうですので、子どもたちは28年前に較べてますます忙しくなっているのでしょう。
『モモ』の中で、時間泥棒達が唯一手出しできなかったのは子ども達でした。なぜなら子どもには大人ができないこと、夢を見たり、時間を忘れて何かに夢中になることが簡単にできるからです。そんな子ども達の時間を奪うために時間泥棒が使った手は、バカな大人たちを動かすことでした。現代の子ども達を見ていると、時間泥棒は今も大人たちを操り続けているとしか思えません。
『モモ』は、児童文学として書かれた作品ですが、私は様々な点から子どもたちよりも大人が読むべき物語ではないかと考えています。子どもを持つ親は『モモ』を読んで、自分が時間泥棒の手先となっていないかよく考えて欲しいと思います。


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素材提供:「second home