HANAIBOOKS  〜HANAI お薦めの子どもの本〜

このページでは、HANAIが教材で使用する本や、ぜひ子ども達に
読んで欲しい本、お父様お母様にもお読みいただきたい本を
紹介していきます。

NO.2

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ラモーナとおとうさん

ラモーナは、クリスマスのリストを作りながら、たのしい気分でおとうさんの帰りをまっていました。ところが、帰ってきたおとうさんは・・・。

ベバリイ・クリアリー/作
松岡享子/訳
学習研究社¥1,200
1975年

なぜかラモーナの物語を読んだ後には、目の前にいる子どもの頭の中が透けて見えるような気持ちになって、思わずその子を抱きしめたくなります。
ラモーナの生みの親であるベバリイ・クリアリーは、幼い頃、ごく普通のどこにでもいる子ども達が描かれた本が無いことにがっかりしました。それが、後に『がんばれヘンリーくん』に始まるこのシリーズを書くきっかけとなったそうです。確かに、クリアリーの作品には、いつも真剣なのに、大人の目から見るとなぜかおかしい子ども達が、実にリアルに描かれています。
ラモーナは、ヘンリーくんを主人公とするシリーズの一冊目では、ヘンリーくんの同級生ビーザスの幼い妹として登場しました。その後少しずつ成長し、この『ラモーナとおとうさん』では、すでに2年生になっています。
お父さんが突然失業してしまったり、担任の先生を怒らせてしまったり、おかあさんが忙しくて日曜学校の劇の衣装ができあがらなかったり…、2年生のラモーナにも悩みは尽きません。
ある日、飼い猫のピッキイピッキイがハロウィンのためのカボチャを食べてしまったことがきっかけとなって、お姉さんのビーザスがかんしゃくをおこしておとうさんにつっかかります。
「お金がないないって、おとうさんのタバコ買うお金はあるじゃない!」「…タバコのんだら死んじゃうのよ。肺がまっくろになって死ぬのよ!…」
それを聞いてラモーナは、泣き出します。おとうさんの失業で家が重苦しい雰囲気に包まれていることや、家族がけんかをすることや、おとうさんの肺がまっくろになって死んでしまうかもしれないこと、それらがラモーナをおしつぶしそうになって泣いてしまったのです。
ところが、おかあさんもおとうさんもラモーナがカボチャのことでがっかりして泣いているとしか思ってくれません。クリアリーは言います。「おとなは子どもがおとなのことを心配しているとわからないのでしょうか?」
たしかに私達大人は、子ども達がその小さな頭で考えていることを軽く見る傾向があるようにも思われます。
ベバリイ・クリアリーの本は、子ども達に長く愛され続けていますが、私はむしろお父さんお母さんにこそ読んで欲しいと願っています。読み終わった後にはきっと、子どもの言葉をいつもよりもう少し注意深く聞いてみようと思うにちがいありません。

 


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