HANAIBOOKS  〜HANAI お薦めの子どもの本〜

このページでは、HANAIが教材で使用する本や、ぜひ子ども達に
読んで欲しい本、お父様お母様にもお読みいただきたい本を
紹介していきます。

NO.30

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はけたよはけたよ

たつくんはねひとりでパンツがはけないんだよ。なんどやってもどでんってたおれてしまうんだ。

神沢利子/文
西巻茅子/絵
偕成社 
\1050
1970年

幼い子どもにとってパンツをはくことがどんなにたいへんか、私たち大人はすっかり忘れてしまっています。けれども、ついこの間まで自分自身が苦労していた子どもは、パンツをうまくはけないこの絵本の主人公たつくんに、このうえない親近感を感じるようです。今回ご紹介する『はけたよはけたよ』は、2〜3才の子ども達に絶大なる人気を誇る絵本です。

主人公のたつくんは、うまくパンツをはくことができません。かたあしあげてはこうとするとどでんと倒れてしまいます。何度やってもできないたつくんは、ついにパンツをはかずに家を飛び出してしまいました。つるんとしたたつくんのおしりを見て、動物たちは「しっぽも無いなんてへんなおしり」と笑います。家に帰ったたつくんは、またパンツをはこうとしますが、やっぱりどでんと倒れてしまいました。めんどくさいなぁ、とついにたつくんはしりもちついたままパンツをはこうとします。すると、なんとうまくパンツがはけてしまいました。おかあさんが作ってくれた赤いズボンをはいてたつくんが外に出て行くと、こんどは動物たちが、たつくんのズボンいいなぁ、とうらやましがりました。

作者の神沢利子さんは、『くまの子ウーフ』『ちびっこカムのぼうけん』『銀のほのおの国』などの作品で知られる児童文学作家です。ある対談で神沢さんはこの『はけたよはけたよ』について、次のように述べられています。「これはパンツをはかせるしつけ絵本みたいにとられるのは少し残念なんです。…中略… そういう(ズボンをはいた 筆者注)タッくんを見て、さっきまで尻尾を自慢していた動物たちは、すなおにそれを「いいなあ」と感じるという、人間も動物も同じ地平に立ちお互いに誇りを持ちつつ、こだわりなくものが率直に言い合える、信頼に満ちた関係というのかしら、私は幼い子どものお話には表に出なくていいから、そうした世界がいちばん必要じゃないかと思うのね。」(『現代児童文学作家対談6』 神宮輝夫 偕成社 1990年)
絵本を読んでもらっている子ども達は、うまくパンツをはけないたつくんを見て、口々に「ぼく、はけるよ」「わたしはける」と言い出し、時には「こうやるんだよ」とパンツをはく真似までしてみせてくれます。そうやってたつくんに同化した子ども達は、きっと動物たちとたつくんの交流を自らの体験のように感じとり、心のひだにその経験を刻むことでしょう。


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素材提供:「second home

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