HANAIBOOKS  〜HANAI お薦めの子どもの本〜

このページでは、HANAIが教材で使用する本や、ぜひ子ども達に
読んで欲しい本、お父様お母様にもお読みいただきたい本を
紹介していきます。

NO.3

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ラモーナとおかあさん

「だれも、あたしのこと、すきじゃないんだ」
ラモーナのことを、だれもわかってくれないくやしさ、腹立たしさ。
おかあさんに「あなたなしでは、とてもやってけないわ」といってほしいと、心からおかあさんを求める気持ち。
感受性鋭い女の子ラモーナの、なやみはつづく・・・。(表紙より)

ベバリイ・クリアリー/作
松岡享子/訳
学習研究社¥1,200
1979年

前回に続きベバリイ・クリアリーの作品『ラモーナとおかあさん』をご紹介します。
クリアリーの作品には、リアルな子ども達が描かれていますが、登場する大人もまたリアルです。
ラモーナのおかあさんは、7歳半のラモーナと思春期にさしかかった姉のビーザスのおかあさんとして、毎日子ども達の面倒を見ながら、失業後にスーパーのレジ係として働き出したおとうさんを支えパートタイムの仕事をしています。
難しい年頃のビーザスの言動に手を焼いて、思わず「おかあさんもいいおかあさんでいるのにあきあきしたわ」と言って娘達をぎょっとさせたり、仕事で疲れきってなにもかもがうまくいかない日におとうさんとけんかをして、フライかえしでおとうさんのおしりをぶってしまったり、と私達とどこか似ているふつうのおかあさんです。そして、彼女もまた私達と同じように、子どもの心を100%知ることはできません。

ある雨降る土曜の午後、ラモーナはおかあさんと二人っきりで縫い物をしていました。静かな時が流れてゆき、ラモーナは幸福な気持ちでいっぱいでした。そこでラモーナは、前からひそかに思っていたことを口に出します。
「おかあさん、あたし、小ちゃいとき、ウィラジーンみたいだった?」
ラモーナは、友達の妹でなんでも自分の思うとおりにしなければ気がすまない小さなウィラジーンが、ラモーナの小さいときにそっくり、と言われることにがまんがならないのでした。お母さんはこう答えます。
「あなたは、とっても想像力ゆたかな元気のいい女の子だったわ。そして、今もそうよ。」
ラモーナはほっとします。けれども、実はお母さんの答えはラモーナにとって十分ではありませんでした。

縫い物を続けるうちに、ビーザスも加わりお母さんとビーザスは仲良く上手にスカートを作り上げます。一方ラモーナは、ぞうのズボンをうまく仕上げることができなくてかんしゃくを起こします。そしてふと思い出すのです。「おかあさんはさっき“ウィラジーンみたいじゃなかった”とは言ってくれなかった」と。ラモーナはたまらなくなってお手洗いに駆け込み涙にくれました。でも、おかあさんには、ラモーナが急にかんしゃくを起こした訳も、泣き出した理由もさっぱりわかりません。

そんなおかあさんですが、ラモーナが家出を決意した時には、実に見事な方法でラモーナに家出を思いとどまらせます。そして、ラモーナにどれほど自分が愛されているのかを気づかせるのです。

子どもの心がわからないと私達大人はおろおろします。でも、『ラモーナのおかあさん』を読むと、「わからなくて当然、心から子どもを愛してさえいればだいじょうぶよ!」というクリアリーのメッセージが聞こえてくるような気がします。


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素材提供:「second home