HANAIBOOKS  〜HANAI お薦めの子どもの本〜

このページでは、HANAIが教材で使用する本や、ぜひ子ども達に
読んで欲しい本、お父様お母様にもお読みいただきたい本を
紹介していきます。

NO.7

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やかまし村の子どもたち

やかまし村には家がたったの三軒、子どもはぜんぶで6人だけ。
でも、6人は、毎日いろんなことをして楽しく遊んで暮らしています。

アストリッド・リンドグレーン/作
大塚勇三/訳
岩波書店 ¥1900
1947年

リンドグレーンは、世界中で親しまれる「長くつ下のピッピ」の作者として有名ですが、彼女は数々の優れた作品を世に送り出した児童文学作家以外にも、たくさんの顔を持っています。質素だけれど自然の中で楽しく成長したスウェーデンの農民の娘の顔、18歳で身篭り一人で子どもを産んだ未婚の母の顔、結婚して二人の子どもを育てる家庭の主婦の顔、優れた目を持つ厳しい編集者の顔、そして社会問題について堂々と意見を言うオピニオンリーダーの顔。
リンドグレーンは、スウェーデンの新聞社が毎年行う有名人の人気投票で、皇族を含めたあらゆるジャンルの有名人をおしのけて1990年から7年連続で1位となったこともあるそうです。

この『やかまし村の子どもたち』は初期の作品で、彼女の子ども時代の生活がそのまま描かれていると言われています。「ピッピ」のような奇想天外な冒険物語ではなく、田舎に暮らす子ども達の日常をそのまま描いた作品です。
北欧のある田舎に三軒の家が寄り添うようにくっついて建っています。この三軒が「やかまし村」です。このやかまし村に住む6人の子ども達の日常が、真ん中の家の三人兄弟の末っ子リーサの目を通して語られます。
子ども達は、ありとあらゆる遊びを楽しみます。男の子達は隣の家に行くのに、家の間にはえている木の枝を伝っていきます。女の子は家と家の窓を長いひもでつないで手紙のやりとりをします。干草の山にトンネルを掘ったり、自分達にしかわからない言葉を作ったり、あそび小屋で奥様になった「つもり」ごっこをしたり、大人の服で変装をしてみたり。
物語の最後は、リーサのこんな言葉で締めくくられています。「…夏だって、冬だって、春だって、秋だって、いつもたのしいことがあります。ああ、わたしたちは、なんてたのしいことでしょう!」

私は、『やかまし村の子どもたち』を読むたびに、幸福な子ども時代というのはこういうものではないかと思うのです。毎日毎日遊んで遊んで遊んで、カブラ抜きや家畜の世話などのお手伝いですら遊びの一つのようにこなし、昼間力いっぱい遊ぶから「夜おそくまでおきているのは、どうにもにがて」で、友達どうしの「家出の約束」すら寝過ごしてしまうやかまし村の子どもたちは、本当に輝いて見えます。そして、マンションの階段に座って、何人か集まってうつむいてポケットゲームをしたり、カードの交換をしている子ども達に、遊びの事典代わりに『やかまし村の子どもたち』を読ませてあげたくなってしまいます。

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素材提供:「second home」