HANAIの基本理念

なぜ読書が重要か?
●読書がもたらすリアルな疑似体験●
私達大人は読書によって、様々な知識を得たり、感銘を受けたり、思考力を高めたりすることができます。ベストセラー 『声に出して読みたい日本語』(2001年/草思社)で一躍有名になった 教育学者の斉藤孝氏は、『読書力』(2002年/岩波新書)の中で、読書を 「自己形成のための糧」「コミュニケーション力の基礎」と捉えています。
しかし、まだ自己が完全に形成されていない子どもにとっての読書は、まったく別の意義を持ちます。
絵本を読んでもらっている子どもが、登場人物と一緒になって声をあげたり、主人公の危機に思わず大声で 危険を知らせたりする場面に出会うことがあります。また、幼い子どもは、何度も何度も繰り返し同じ絵本を 読んでもらいたがり、5回目も10回目も初めて読んだときと同じくらい楽しんで聞いています。
子どもにとって物語と現実の間は限りなく近いもののようです。子ども達は、物語の主人公とともに冒険をし、 いたずらをし、ともに笑いともに悲しみ、どきどきしたりわくわくしたりするのです。残念ながら大人となってしまった 私達には、彼らと同じ感覚で物語の中を生きることはもうできませんが、子ども達はこのリアルな疑似体験を通じて、 倫理観や人生の根源的な意味を獲得していると言えるでしょう。
心理学者の河合隼雄氏は『Q&A こころの子育て 誕生から思春期までの48章』(1999年/朝日新聞社)でこんな風に語っています。
「子どもはファンタジーによって、いろんなことを言葉ではなく体感的に知っていくという面があります。小さい 子どもだと、ごっこ遊びの中でいろいろ言いながらやっているでしょう?「怪獣退治に行こう!」と言ってバンバンやっつけ にいったり、自分で「追いかけてきたぁ」と言って逃げたりとか、もう何回でも同じことをしている。その遊びの中で子ども が感じていることを、「ぼくは強いんだ」と言ってもいいし、「悪いやつをやっつけるぞ!」と言ってもいい。
考えてみたら、おとなが口だけで「あなたは強い子ですよ」とか「あなたは正しい子よ」と何度口で言ったって、 子どもにしたら何の実感も手応えもない。ファンタジーの世界で遊ぶことでこそ、子どもは自分は強いんだ、正しいんだ、 というのを体験できるんです。」
●読書は子どもにとってなくてはならないもの●
つまり、子どもにとって読書は、ただのお勉強でもなければ、娯楽でもなく、未来を生きていく上で無くては ならない必須のものだと言えるでしょう。しかも、これはテレビやビデオ、ゲームなどには絶対に変えられないものです。 なぜなら、既に音や絵が完成されたものには、子どもが想像力を働かせる余地がまったく無いからです。

これほど子どもにとって重要であるにも関わらず、子どもの読書離れは年々進む一方です。
HANAIでは、子ども達にコミュニケーション・スキルを身に付けていくと同時に、一人でも多くの子どもに、 本当に共感できるすばらしい物語に出会わせることで、読書の楽しみに気づかせ、読書好きな子どもにしてあげたい。 それによって、人生を強く生き抜くための基礎を身につけて欲しい。そう願っています。
確かに、読書を好きになったからといって、すぐさま国語の点数が上がるということは無いかもしれませんが、 見えないところで子ども達はテストの点以上のものを獲得しているのです。
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